第10話 初心を忘れてはいけない

ガタンガタンと嫌な音を立てながら扉が閉まっていく。それを見た後、「明日は点検させるか」と呟いた社長を見た。

「一体何がどうなっているんですか?」

こうなった理由を求めるようにして真っ直ぐ彼を見上げた。唇を結んで、できる限りの怒った顔をして見せた。……だけど、彼はフッ――と笑っていた。

「あの!  私怒っているんですけど!」
「そうは見えない」

「っ、怒ってます!」
「ならもう少し怒り方を学ばないとな」

床に置いていた鞄を手に持った社長が歩き出す。そこまで言われたらこっちの気持ちも抑まらないというもの。「もう!」と声を上げながら隣に並んだ。

それからあぁだのこうだの言って、どうにかして彼の足を止めようと頑張った。根負けした彼が足を止めた瞬間は優越感に浸りもしたが、顔を上げたら彼はとても楽しそうに笑っていて、あまりに不本意だったからまた唇を結んだ。「なんで笑うんですか!」と声を上げた。

「なまえが可愛いからだ」
 
 
 
 
すとん、と音がした。

 

 

170803 End.

 

Afterword

二十万打hit企画「愛の言葉を語ろう」のリクエストで書かせて頂きました!

リクエストは、恋愛を知らないヒロインに色々と経験豊富であろう社長から。仕事でお疲れ気味な彼女に労い兼愛の一言を是非…!!舞台は現パロ希望。雰囲気は、切なめ→甘めで。でした。

久々のクロコダイルさんだったのでぶれっぶれになったかもしれない……と思いながらも、きゅんきゅんできるようにクロコダイルさんの素敵なところを詰め込んだつもりです。いや……書いていて、「はぁ……もうだめだ、書けない。素敵すぎてしんどい」ってなっていたぐらいなので、伝わる、はず!!っと思っています。

今回はちょっと変わったエレベーター恋愛でした。少し前に見たドラマの影響が大きくて、こうなりました。職場一緒で身近にいて……いうのに惹かれました。気にいって頂けたら嬉しいです。

今回のヒロインは恋愛経験薄いので感情はできるだけ簡単な言葉で表すようにしました。あと、自分で気づいているのに、気づいていないっていう心理を……(ややこしいな)。解説しちゃうと内容が薄くなるって言われそうですが、言わせてください笑  “そんなに何度も同じ時間に乗り合わせるわけがない。そんなのあり得ない。”ってヒロイン言ってますが、その通り。じゃあ朝はなんで会えたの? ……ですね。

クロコダイルさんもヒロインに会いたいって思っていたからなんですよって、いうお話でした。

ではでは、ご参加ありがとうございました(*^^)v

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