「イゾウさん!」
「イゾウさん――――!」
「イ・ゾ・ウ・さ・ん!」
色々な表情で俺を呼ぶあの子は、今日もめいいっぱい手を降りながら俺の名前を呼ぶ。
「イゾウさ~ん! おはようございます!」
「あぁ、おはよう」
「なんか眠そうですね」
「昨日は本を読んでいたんだが、なかなかキリがいいところがなくてね」
「へぇ! それそんなに面白いんですか?」
「俺の国の歴史本さ。どうだろう今度読んでみるかい?」
「えぇ、ぜひ! あぁ……でも」
急に顔を曇らせたものだから首を傾げる。
「イゾウさんの国のこと何も分からないから先にお話を聞かせていただけませんか?」
「いいよ」
「ん~今日の夜とかどうですか?」
「早いな。俺はかまわんよ」
「決まりですね! じゃ、私食卓の準備があるので先に行きます!」
はいはいと手を振るとサッチさんに怒られると叫びながらあの子は走っていった。その様子をぼんやりと眺めていると……
「なぁ、イゾウよぉ」
どこからともなく現れた大きな体の男がこちらの様子を窺いながら話しかけてきた。
「なんだよ、ビスタ」
なんとなく次に言われる言葉が分かっていたため、つい突き放すように言ってしまう。ビスタの方を振り向くと、ビスタも分かっているとは思うが言わないと気が済まないといった様子で、淡々と話した。
「……あんまり熱入れると後悔するぜ」
ボソッとビスタが言う。あぁ、そんなことずいぶん前から分かっていた、分かっていたさ。
「あぁ、分かっているさ」
言われなくても分かっている――
あの子は親父が拾ってきた孤児で、親父は家族だと言っている。ただ、あの子が大きくなって、この船を出たいといったら、見送ってやろうと言っていた。拾ってきた時は小さな女の子だった。今は見違えるほど綺麗に育っていた。
俺はきっと戸惑っているんだと思う――
:
:
コンコン――――
「開いてるよ」
「お邪魔しまーす!」
「約束通りだな」
「当たり前じゃないですか。イゾウさんとの約束なんですから!」
「おう、そうかい」
その言葉はどこまでが……俺の心を乱さんでおくれ。
それから2時間が経った。
「で、これは……」
「はい……はい……」
「おい、眠たいのか? そんな無理するな」
「あ、いえ……」
コクン―― コクン――
頭が上下している。限界だな。
「いいから今日は寝ろ」
「はい……」
俺の言葉を合図にその場にドサッと横になるとすぐに寝息が聞こえてきた。なんだか嬉しくなってきて、にやけてしまう。俺の話を聞くためにこんなにがんばってくれていたのか……全く……あきれながら、体を抱えて持ち上げる。そういえば、こいつの部屋知らないな。今日は俺のベットで寝させるか。ベットに横にさせたあと、掛け布団をかける。このまま一緒に寝たい。抱きしめたいという衝動に駆られたが、何より、いつも見られるあの笑顔を守りたいと思ったイゾウは先延ばしにすることに決めた。俺は絶対、あきらめない。あと3年。16歳になるまでは俺が守る。
「それまではこのままで……」
お姫様の額に優しくキスをしたあと、ソファで眠りについたイゾウは幸せな夢をみた。3年後、この二人がどうなっているのかはまた別のお話。
(Plan:Christmas)
141220 End.
150216 修正
Afterword
初イゾウ夢小説。イゾウさんに迫られたらどうしよう…(いや、ないからね)。

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