初恋が苦すぎて拗らせた的場さんが二度目の恋に出発する話 06
病院からの帰り道。静音さんが見つめていた山に向かう。荒れた山道に足を踏み入れて、細い道の上を上がっていく。終着点には一つの寂れた神社があった。ここはかつて、鈴屋谷家が管理していた神聖な場所だ。彼女の夫はここの神主で、祓い屋だった。そし…
初恋が苦すぎて拗らせた的場さんが二度目の恋に出発する話
初恋が苦すぎて拗らせた的場さんが二度目の恋に出発する話 05
「鈴屋谷家? あぁ、あそこの嫁さんは病院にいるよ。何でも、妖に心を取られたんだって」気付いたら、話に聞いた病院の前に立っていた。そこは訳アリの患者がいる病院で、的場の名前があれば自由に出入りできるところだった。まさか、こんなに近いとこ…
初恋が苦すぎて拗らせた的場さんが二度目の恋に出発する話
初恋が苦すぎて拗らせた的場さんが二度目の恋に出発する話 04
祓い屋の定例会の会場付近で夏目の姿を目にした。変わった人間の子だ。最近は何かと関りがあるが、ついに定例会にまで参加するようになったのか。恐らく、名取が連れて来たのだろう。……彼奴はただの人間を巻き込んでどうするつもりなのか。挨拶くらい…
初恋が苦すぎて拗らせた的場さんが二度目の恋に出発する話
初恋が苦すぎて拗らせた的場さんが二度目の恋に出発する話 03
今年の夏は暑い。寝苦しさを感じぬようにと、夕涼みに川辺に足を運ぶ。川辺は幾分ましだ。夕陽の映る赤い川が眩しい。血のように見えてしまうのは、ここ最近血気盛んな妖を相手にしていた代償か。……まぁ、嫌いじゃないが。「静司くんは夕陽は嫌い?」…
初恋が苦すぎて拗らせた的場さんが二度目の恋に出発する話
初恋が苦すぎて拗らせた的場さんが二度目の恋に出発する話 02
的場一門当主は代々右目を狙われている。狙ってくる妖は大抵は馬鹿みたいに猪突猛進なのだが、ときおり厄介な術を使ってきた。話にはよく聞かされていたことだが、私はまだそれには出くわしたことがなかった。その後、世代交代を果たした後に、先代の当…
初恋が苦すぎて拗らせた的場さんが二度目の恋に出発する話
初恋が苦すぎて拗らせた的場さんが二度目の恋に出発する話 01
夏の日のことだった。じっとりとした空気が肌を纏う。薄手の着物を着て布団に横になるも眠れない夜。的場静司は、腰まである長髪を結び直しながら徐に立ち上がった。その足で窓辺に向かい、腰を下ろす。全開の窓から見えた夜空は雲で覆われていた。今日…
初恋が苦すぎて拗らせた的場さんが二度目の恋に出発する話