はぐれ猫、意地を張る
パタパタパタッ帆が風でなびく音で目が覚めた。眩しくて瞳孔が一瞬で細くなる。瞬いた目で確認した赤い海。どうやら夕暮れのようだ。顔を上げて自分の状態を確認する。寝始めは丸まっていた体制はいつの間にか、前後の足を投げ出すような体制になっていた。体…
飼い主は猛禽類
はぐれ猫、捕まる
「にゃ~」「名は?」プイッと顔を背ける。狭い船の上。太陽が燦々と降りしきるこの場所は猫にとっては少々辛い。日陰を探すが帆も畳まれてしまった今、日陰となる唯一のものはその問題の人の影だけだった。近寄り難いが、やはり暑いのは辛い。この毛皮はすぐ…
飼い主は猛禽類
はぐれ猫、出会う
私の身を纏う白。それは時にひらひらと私を包み込み、時にふわふわと私の体を包み込む。相反するそれは私の外見が極端に変化するせいであった。少し前まではまさにそうだったけれど、ここ数年は私の体を覆うのはふわふわとした体毛だけだった。……つまり、私…
飼い主は猛禽類