はぐれ猫、お願いされる
目を覚まして一番に目に入ってきたのはいつもの背の高い雑草じゃなくてハッと目が覚めた。浮かんできたのは昨日の夜のこと。誰かが私を攫ったんだとすぐに分かった。……ん、あれ?慌てて体を起こして辺りを見回す。部屋は見たことのある……というか、一度は…
飼い主は猛禽類
はぐれ猫、大切にされる
数ヶ月もすれば島での時間の潰し方もだんだん分かるようになってきて、ありきたりだけど、今までみたいに見回りをして時間を潰すことにした。話に聞いていた通り、島に住んでいた人間は鷹の目だけだった。すっかり廃れてしまった王国の跡地、いわゆる城下町と…
飼い主は猛禽類
はぐれ猫、心配される
ここは城。とても古い城。城に入るのは初めて。もっと言えば、まさか住むことになるだなんて。「私はどう振る舞うべき?」窓際にあるソファに腰掛けていつも着ていた帽子もコートも刀も脱ぎ捨ててズボンひとつ。今まで見たことがない軽装ぶりに少し戸惑う。少…
飼い主は猛禽類
はぐれ猫、前へ進む
今回は始めとは違っていた。反抗することも抵抗することも何もなく。鷹の目の気の赴くままに海の上を漂っていく。どちらも何も一言も言わなかった。そのまま静かな時は流れていく。いくら体を撫でつけられようが何の気も起きなかった。そんな私を鷹の目はずっ…
飼い主は猛禽類
はぐれ猫、振り出しに戻る
目が覚めて、そこで初めて気を失っていたことに気付いた。チリチリと燃える炎が白い毛を焼いてその熱さで体が飛び跳ねる。「あっつっ!!!!」「あぁ、悪い。毛だから燃えるのか」「エースッ!?」なぜ? どうして? 一体どうやってエースの手錠が外れたの…
飼い主は猛禽類
はぐれ猫、再会する
戦況は思わしくない。それは最初からずっとそうだった。さすが、というべきか。海軍本部の守りは堅い。途中ルフィ達の参戦という嬉しい驚きもあったけれど、こちらの作戦に変わりはなかった。猫の姿になって戦場を駆け抜けていく。真っ白な毛には血染みが増え…
飼い主は猛禽類
はぐれ猫、見送る
なんだかんだ言って、白髭海賊団での生活は楽しかった。最初は頑なに猫の姿でいたけれど、どうにかして人の姿に戻らせようと何かしらの作戦を立ててくるみんなについに根負けしてしまった。そんなわけで張り続けていた意地はすっかりなくなって、普段から人の…
飼い主は猛禽類
はぐれ猫、泣く
汚れた甲板に真っ白な一筋の光。細い腕、細い足。純白の髪がさわさわと風に揺れる。時折吹く強風がワンピースの裾を大きくめくり上がらせ、その度に周囲の男共は息を飲んだ。なんて場違いな奴だ。その様はその場にいた誰もの目を釘付けにする。同じく白を通り…
飼い主は猛禽類
はぐれ猫、戻る
「白髭か……、そんな簡単に会えるような相手ではないと思うが」「……そうだね」簡単に会えるような相手ではないことぐらい、分かっていた。でも、会える自信があった。なぜならロジャー船長から渡されたこれがあったから。「何かあったときはこいつに頼れ。…
飼い主は猛禽類
はぐれ猫、走る
珍しく興味を引かれていた会議もいざ始まってみればびっくりするぐらいつまらないもので、すっかり興味をなくしてしまう。他にやる事もないし……と元帥の膝の上で丸まっていた。ガンッ、ガンッ、ガンッ聞き覚えのある足音に耳がピンッと立った。いつでも眠れ…
飼い主は猛禽類
はぐれ猫、参加する
そのまま鷹の目の肩の上で揺られて、目を覚ましたときにはもう建物の中にいた。げっ……まさか……ようやく目を覚ましたか、とこちらに顔を向けた鷹の目は止まることなく歩き続けた。すれ違うのは海兵ばかり。外装は見ていないけれど、どう考えたってここは……
飼い主は猛禽類
はぐれ猫、夢を見る
キラキラと煌めく海面が眩しくて仕方がないそんな日。目覚めた私はある人の膝の上にいた。頭を撫でる手は規則的に動き、心地良くて眼が細くなる。「にゃ~」「あぁ起きたか、」顔を上げたら少し長めの髪がゆらゆらと揺れていた。特徴的な大きな黒髭が揺れ、ニ…
飼い主は猛禽類