声にならない雑音が喉の奥からざらりと出る。切られた。ここで私が悲鳴を上げてしまったら……、おそらく子供達がパニックになってしまう。声を押し殺して我慢するしかなかった。
「あぁ! おまえ、大事な商品に傷つけんなよ」
「わりぃ。こいつがいきなり飛び出すから切っちまった」
まるで試し切りの人形を切ったかのような反応。切りつけた海賊は「こいつが悪い」と言って髪を鷲掴み、うずくまっていた顔を無理矢理に上に向ける。
「ッ!?」
傷の痛みと髪を引っ張られる痛みで意識が飛びそうになる。おねえちゃん! と後ろから呼ぶ声がどうにか飛びそうな意識を止めてくれていた。
ま……もらないと……
「大丈夫だ、顔は傷ついてねぇ」
「どれどれ……ほんとだな。よかった、よかった」
「よし、連れてくか」
まるで家畜を売りに行くかのような会話のやりとりに腹が立ったが何もできなかった。虚ろな目でその様子をぼんやりと眺めることしかできなかった。
「ほら、おまえ達もいくぞ!!」
もう1人の海賊が子供へ手を伸ばす。
「だめ……や、めて……」
せめて、子供達には手を出さないで――
必死に声を絞り出す。海賊の手が子供まで後少しというとき、うわぁああああん! と鳴き声が強まる。その時、私のぼやけた視界の端に青い炎がチラチラと移った。
「ぇ……?」
その炎は鳥の形をしていた。

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