うっすらと日が昇りだした水平線に目を向ければ、朝日のまぶしい光が私に降り注いだ。今私は清められている。そんな気にさせてくれる日の出の時が私はとても好きだった。
「姉さん、またこんな早くに外なんかに出て……風邪引きますやろう?」
姉さんと私のことを呼ぶ彼女は私よりも20も年上。おかしく思う。でも、この世界じゃお客を多く取っている方が上らしい。ふ~ん。そんなことどうでもいいと興味なく聞いたのを覚えている。いつの間にか広がっていたその呼び名は、始めこそ、一体誰がつけたんだと犯人探しをしていたが、今になってはどうだっていいことだった。今の私には色々なあだ名がある。それはすべてこの世界では必要なものであるからして、ないと逆に困るものなのだ。それにそもそも、自分の本当の名前なんて知らない。
はぁ~と息を吐けば白く空気を染める。
「あぁ、もうそんな薄着で出ないでおくれやす」
クスリと笑う。私はこの人の言葉が好きだった。正確には話し方というべきだろうか。綺麗な言葉をつらつらと並べて、朝から晩まで私のことを考えて、時には怒って、躾て、慰めて、笑わせてくれる。だから、私の世話係になってもらった。ほらほら中へと言われて移動を始める。

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