Momonga Root 2/2
あのやりとりの時点で気づくべきだった。なぜ中将の相手をした人が泣いてしまうのか、それはすぐに分かった。中将は人が悪いことにとても優しくて、丁寧で、それでいて、なんでも口に出す。どんなに恥ずかしいような台詞でもだ。いざ自分が耳元で言われ続けて…
Momonge
Momonga Root 1/2
「初めまして」思わず立ち止まって凝視してしまうほどその人の髪は個性的だった。金髪パイナップルのあの人も凄いけど、この人も凄い髪型。加えて縦縞スーツ。私の目を釘付けにしたその人は扉を閉めて中に入ってきた。「えと……」「モモンガと言う。階級は中…
Momonge
Sir Crocodile Root 2/2
「ん~……」「どうした」「クロコダイルは規格外です」「クハハハハッ!! それはほめ言葉か?」「……もう、いいです」数日は動けそうになかった。 :: そんな体だろうとお見送りはする。お客を取るようになってから一度も欠かしたことはなかった…
Sir Crocodile
Sir Crocodile Root 1/2
「こ、こんにちは」「……」ギロリとこちらを見る目にビクビクと体が震える。なぜこの人が私を指名したんだ。見上げる顔。身長は私の倍あるんじゃないだろうか……。いや、それは言い過ぎだとしても、それにしてもデカい。コツコツサササッコツコツサササッコ…
Sir Crocodile
Trafalgar Law Root 2/2
「ロー……」「なんだよ」「今日のロー元気ない?」「あぁ? なんでだ」「だって、いつもより早かった」「……おい、もう一回やってやろうか?」「ご、ごめっ!!」とっさに身を引いて構えたが、ローはこちらに掴みかかってくる様子もなく、天井を見つめてい…
Trafalgar Law
Trafalgar Law Root 1/2
「あのさ……毎回思うけど面倒じゃないの?」毎回こうやって面倒なステップを踏んで会いに来てくれるのは嬉しいんだけど。ひらひらと自分の服を揺らせば、目の前の人がまぁそうだなと頷く。「ロー?」首を傾げれば浮ついた返事が返ってきて、いつもと違う様子…
Trafalgar Law
Prologue 6/6
コンコン「はい~」今度は扉が開かない。嫌な予感。「姉さん」ほら来たよ……さあさんじゃない。この声は男の声。つまり、この遊廓の雑用係。ついでに言えば、お呼びがかかった時に呼びに来てくれる人。この人たちは絶対に遊女の部屋には入らない。「は~い」…
Prologue
Prologue 5/6
私がお相手と会うまでの間。いくつかのステップがある。それは楽しんでもらうためらしい。そんなまどろっこしいものスキップしてもいいですかと言えば、しばかれた。まず絶対条件として、夕方以降であること。それは遊廓の営業時間がそうだから。店が開いてな…
Prologue
Prologue 4/6
1週間後コンコンというノックとともに聞こえてくる声。いつもの声に安心しつつ答える。「さあさん? 入っていいよ」「姉さん、もうお体はよろしいんですか?」「ん、うん。もう大丈夫かな」欲を言えば、あと数日はゆっくりしたかったけど。さすがにこれ以上…
Prologue
Prologue 3/6
とりあえず、今は心配そうにこちらを見つめるさあさんの言うことを聞こうと思う。後で面倒なので。クスリと笑みが漏れる。扉の前で立ち止まって、今の自分が乗る船を見上げる。とても大きな船。一番高いところはここからじゃ見えない。その先、天辺に私の住む…
Prologue
Prologue 2/6
カランカラン甲板の上を高さのある下駄が行く。歩く度になる音が朝の静けさによく栄える。それもまた私の好きなことだった。この音に耳を傾けながらゆっくり歩くのが好き。先ほどつらつらと怒っていたその人、名はさあさん。もちろんあだ名。おそらく本名が「…
Prologue
Prologue 1/6
うっすらと日が昇りだした水平線に目を向ければ、朝日のまぶしい光が私に降り注いだ。今私は清められている。そんな気にさせてくれる日の出の時が私はとても好きだった。「さん、またこんな早くに外なんかに出て……風邪引きますやろう?」姉さんと私のことを…
Prologue