こんこん秋色こんにちは

こんこん秋色こんにちは

「俺たちは海賊だ」「そうだね」「海賊に普通の結婚はねぇ」「うん。分かってるよ」「これまでとあんまり変わらねぇと……思う」「そんなことないよ?」「…………」「私ね、ローが好き。今までローに嫌われているって思ってたから言えないことがたくさんあっ…

夏が死んで君は羽化する

「まったく……病気のときぐらい大人しく寝てろ」「はーい」「医者の言うことを聞け」「ふぁ~~い」「ほんとにわかってるのか」「う~~ん」その返事はどっちの返事だ、と文句を言いながら、するするとリンゴの皮を向いてくれるローに向かって唇を尖らせる。…

ミスターセンチメンタル

「もう起きてもいいのか?」数週間ぶりに島が見えたそう聞いてこっそりと布団を抜け出して来ていた。浮上した甲板の上は肌寒いから病人は出るなと言われる。だから黙って来るしかない。確信をつく問いかけにおどおどしながら振り返った。「なんだぁ~シャチか…

カラコロ鳴いて歌ってよ

船体が大きく揺れ、「突風だ~~!!」と誰かが叫んだ。グランドラインじゃ珍しいことじゃない。そう思って浮き上がった腰を戻そうとしたそのときが海にいるんだ! その声に部屋から飛び出した。「報告しろ!」甲板に出ればそこは慌てたクルーが海の中を覗き…

まだ深くは眠れない夜

けほ、けほっ見上げるとそこにはいつもの天井。生きている。でも、引き上げられたときの記憶がなかった。どうやらそのときにはもう仮眠状態に入っていたらしい。両手と両足を動かしてみたが痛みはなかった。体は特に問題ないようす。ただ……寒い海中にずっと…

夢見る季節が過ぎても

「キャプテン、まだ戻らねぇのか」食堂の一角、テーブルに座って昼食を頬張りながら、ペンギンが言う。シャチがそれを聞いて顔をしかめた。私もそれ続くように、顔を俯けた。ここ最近の当海賊団の悩みはキャプテンの元気がない、だ。まるで心ここにあらずとい…

うつくしい衣でご挨拶

トラファルガー・ロー。彼の第二の人生は、故郷である王国から死にものぐるいで逃げ出した後、ドフラミンゴという男の元で過ごすことだった。当時の彼の幼い瞳に灯るのは"復讐"の二文字。あの、人を射抜くような目はきっとこの時にできたものなのだろう。そ…