Wait a minute , calmly !

第10話 退場お願いします

「……人の部屋で何をやっている」毎度のことながら中将はいいタイミングで入って来られる、と思いながら怪しい……と視線を向けてくる中将に言う。「あ、中将! これです、これこれ! これが例の壁ドン! わかります?」「「……」」「ほら、昨日話したじ…

第9話 俺を舐めてもらっちゃ、困るぜ?

世間の女子の間では壁ドンというものがはやっているらしい。この前ヒナさんから聞いた。しかし……、ヒナさんやたしぎのところへ会いに行かない限り、私の周囲には女性というものがいないので、この話を共有したくてもなかなか共有することができない。でもな…

第8話 漫画を朗読するときは、効果音も忘れずに

コンコン、とノック音がなり、それに返事をする間もなく扉は開いた。「やぁちゃん、今休憩中?」「どうも」ノックしたのなら返事を待って下さい、と言葉が喉まで出かかっていたが、数ヶ月前まではノックすらしなかったクザンさんがようやくノックするようにな…

第7話 明らかに盛り上がってんの私だけだよね

数十分もすれば中将の気も済んだようで先ほどまでの勢いはなくなっていた。さらに数分経つと、まったくお前は……と言ったきり、口を閉じて黙り込んでしまった。その隣では珍しく反省している様子のクザンさんがほんとに悪かったと思っているよとぶつぶつ言っ…

第6話 人という字は人と人が…

少し疲れてしまったのか一瞬微睡んでしまった。そんな中、頭に浮かんだのは懐かしき出会いの日の出来事。モモンガ中将がここへ来てからもうだいぶ時間が経ったなぁとしみじみ思う。目を開き当時と変わらぬ酒場の風景に視線を流す。ここにはあの時と同じように…

第5話 おおっと手が滑ったぁ!

(モモンガ中将との出会いのお話):すっかり日も暮れた頃。自宅でいそいそと今夜の準備をする。えぇーっと、確かあれはここに、あったあった。あとこれとあれと…………って、あ、時間やばい! 必要なものだけを紙袋につっこんでまとめて家を飛び出した。今…

第4話 普通に噛み切れよ、食べ物で遊ぶな

「さん、聞きましたよ! マストの緊急避難の練習でターザンやったって本当ですか!?」あぁ、……頭痛が……目を爛々と輝かせて真相はどうなんですか!? と詰め寄ってくるコビーとヘルメッポ。とっても可愛い後輩なんだけれど……、こういう話題が沸いたら…

第3話 だって何食ってもウマイって言うんだもの

そう言えば最近麺類食べてないなぁ。なんか唐突に食べたくなってきた。時刻はまだ昼前。本日提出の書類にペンを走らせながらそんなことを考えつつ、珍しくポカンと空いている席に目を向ける。今、この部屋の主は出張で不在なので、「昼食は外へ食べに行きませ…

第2話 綱持ったらターザンはお約束でしょ

「何をやっている……」差し込んだ影にヒィッと上がりそうになった悲鳴を堪えるようにして両手で口元を覆う。屈ませていた身をよりぎゅと縮込ませながらゆっくりと振り返った。「……あ、中将……」ほぅと息が漏れた。変わらず仏頂面でこちらを見ている中将。…

第1話 一年に三秒くらい優しくしてあげます

「お~ちゃんじゃなーい」「お~青雉大将じゃないですかぁ~」なんともやる気のなさそうな声に、歩く速度を緩めることもなく。軽く流し見をして、こちらも張り合うように"どうでもいい"感を出して答えた。一応これでも呼び出しをくらって急いでいるのだから…