「っ、ん~~~~!!!!!」
確かにそこにある快感の波。でも、どうしてもある一定以上の強さには到達出来ないようになっていて、その感覚はつい最近に感じたことがあるものだった。
「…………また。また、なの…………?」
体はもうへとへとなのに、いつまで経っても解放されない快楽の熱が腹の中をず――っと暴れ回っていた。
「今の、主は……?」
朦朧とする意識の中、リーゼントの男を見上げる。ちゅ、と降ってくる優しい口付けが私をかき乱すことをこの人はきっと知らない。
「言われたとおりやったから、俺になっているはずなんだが……」
私の顔色を窺っている様子からして、私の能力がどういった影響を与えるのか、理解しているのだろう。それは本当に有り難いことなのだけど……。実際はうまくいっていない。なぜ……どうして……。考えようにも頭が全然回らない。ふわふわと、夢見心地の世界から抜け出そうと藻掻いたところで、今が心地よすぎて、うまく抗えない。なんて最悪な能力なんだろう。
「ごめ……ん。ちょっと、もう……限界だから。わたし……」
「……え? おいっ!」
「ちょっと、ちょっとだけ……ごめん」
「おい、大丈夫かっ!?」
瞼がゆっくりと落ちていく。抗いたくとも抗えない。暗闇に満たされた世界――意識の端っこでサッチが何かを言っていた。でも、それが私に届くことはない、ぷっつりと、私の意識はそこで途切れてしまった。
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なまえが横たわるベッド脇――、彼女の様子を心配したサッチがマルコを呼び出していた。二人はひっそりと言葉を交わす。サッチがなまえの状態を説明したところで、マルコが深刻そうに顔を俯けた。
「考えられる可能性は、ひとつ」
「…………なんだ?」
「あいつから、こっちに主導権が移っていない、可能性があるよい」
「あ――…………なるほど、確かに。それなら辻褄はあうな」
「…………だが、それだと腑に落ちない」
「……あぁ。あちらさんは、押しつけるようにしてこちらに受け渡したはずなんだろう。なのに、どうしてこんな面倒なことを……? 意味が分からん」
「………………とにかく。聞くのがてっとり早い」
「違いねェな」
ブルブルブル――
「おぉー。マルコぉ! 俺達の仲間になる気になったのかァ」
「赤髪、一体どういうことか、説明してもらおうじゃねェか」
「……説明? そりゃァ一体、何の説明だ……?」
「あ……?」
当てが外れていたということか……? マルコが眉を寄せながら、後ろで控えていたサッチの方に顔を向けた。サッチはサッチで、どういうことか、必死に考えている様子だった。その更に後ろ、ベッドの上にはなまえが横たわっている。彼女はスースーと寝息を立てて深い眠りに入っていた。まるで何かを回復するように、どっぷりとした深い眠りに入っている。
「……なまえが眠ったまま、目を覚まさねぇんだよい」
「は? なんで。何があった?」
「…………分からねぇ。なぁ……赤髪。今のなまえの主はお前なのか?」
「……いや、違うはずだ。俺はあの日に、マルコに譲ってきたはずだ」
「…………だがな。その俺が、サッチに譲ったんだが、どうにも……。違うみたいなんだい」
マルコの言葉尻が尻すぼみに小さくなっていく。「このままじゃなまえが……」囁くような声。電話口のシャンクスには辛うじて聞こえるくらい、そんな囁き声をシャンクスの耳は拾い上げていた。
「……傍になまえはいるか」
「あぁ、今は眠っている」
「俺の声を聞かせる。傍に寄ってくれ……」
マルコがゆっくりと移動する。ベッドに沈み込んでいるなまえの横に電伝虫を置いた。
「……いいぞ」
「……なまえ。俺だ。シャンクスだ」
ぱちりと目が開く。それまでは泥のように眠っていたはずのなまえが突然体を起こした。
「そこにいるか……?」
目を瞬かせながら、なまえが耳を欹てているのが分かった。電話口から聞こえる声を必死に聞いていた。
「…………しゃん、くす?」
「あぁ……俺だ。久しぶりだな」
「っ、しゃん、くすっ!!!!」
あぁ、シャンクスだ! シャンクスだ!! なまえが何度も何度も名前を復唱した。それだけで、その場にいた誰もが理解した。この能力は異常だ――自分たちが考えていた束縛のレベルを遙かに超えた能力である、と。それは恐らく、シャンクスにとってもそうだったのだろう。
「…………やはり。いや、でも確かに譲ったはず。……どうしてこんなことに?」
それはこちらの台詞だと言いたいところだが、怒鳴り散らしたところで解決することでもない。マルコはグッと腹に押しとどめて拳を握り締める。
「どうする……どうしたらいいんだ……?」
サッチがぶつぶつと呟いた。それに対する答えは、今の俺たちにはきっとない。
「……状況は分かった。その場しのぎになるかもしれないが……」シャンクスが話した提案にマルコもサッチも眉を顰める。ただ……苦しげに電話口の向こうの男を求め続けるなまえを見ていたら、一刻も早く、そうするべきであると、二人は頷くしかなかった。
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「しゃん、くすっ!!!」
男の影を目に留めた途端に駆け出そうとした細い腕を両脇に立つ男達が押し止めていた。だだっ広い甲板に降り立ったのは、赤い髪の男と、白髪交じりの長髪の男だった。
「…………悪いな、マルコ」
「いや……こうなったらもう仕方がないよい」
確かにな……シャンクスが頷いて、抱えられていたなまえがベックマンに引き渡される。なまえを抱き留めながら、「人払いは?」と状況の確認がなされた。
「港に船を泊めている間は連中は街に出るように言っているから大丈夫だ」
マルコのその言葉を聞いたシャンクスは、ほっと息をついた。どうしてそこまで気に掛けるのか、とマルコが聞こうとした時、なまえがベックマンの腕をすり抜けてシャンクスに向かった。「久しぶりだな」とシャンクスの皮肉の籠もった挨拶が表に出る間もなく、なまえはシャンクスに口付ける。それも深い口付けで。シャンクスはそれを受け入れて、近くにある壁になまえの背中を押し当てた。貪るようなキスにその場にいたマルコとサッチの目が点になる。
「まぁ、こういうわけだ」
ベックマンが代わりに説明をして、「あぁ……」マルコが頷いた。
「これは……確かに」
サッチはそう言いつつも、「すげぇな……」と感嘆していた。ここまであからさまに、人と人がしているところを見せつけられることは滅多にない。それも、あの赤髪が押される程に求められ、且つ、彼がそれに応えているのだ。誰しもが目を疑う光景だろう。
「っ、はぁ~~~~。相変わらず、最高だな、なまえは」
前髪をかき上げながら、息継ぎの最中にシャンクスが目配せをする。ベックマンがそれを受けて、空いている部屋への案内を伝えた。
「すぐそこの部屋を準備している……んだが」
「……なんだ?」
「ほんとうに、俺らもいるのか。正直、遠慮したい気持ちでいっぱいなんだが」
「俺らだって、好きでこんなことをしているわけじゃない。ただ、なまえの能力をはっきりさせておかないと、次が困るんだろ……?」
「…………まぁ、そうなんだが、な」
乗りかかった船だ――親父はそう言って、現在のなまえの状況を受け入れてみせた。さすが親父だ。そして、手助けしてやれと俺たちに言った。つまり、これは公認されたことなのだ。……と、頭では分かっていても、女一人に複数で……っていうのは、どうにも気が乗らない。
「言っておくが、気を抜いたら痛い目を見るぞ」
苦笑しながらそう言ったベックマンが続けて「これでも足りないくらいだ」と衝撃の一言を放った。「嘘だろ、これで……?」と、シャンクス、ベックマン、マルコを見回したサッチが絶句している。
その間に、なまえを抱えたシャンクスが「脱ぐのは部屋に入るまで待て」となまえをなんとか宥めながら移動した。
用意された部屋の中、ベッドの上になまえは降ろされた。残りの三人が入ってきたのを確認して、シャンクスがなまえを押し止めていた手を緩める。すぐに一糸まとわぬ姿になったなまえがシャンクスの首元にかぶりついた。それを受け止めて、ぽんぽんと背中を宥めながら、シャンクスが後ろに立つ三人に言う。
「こうなったらなまえにはもう言葉が通じない。中に出して、満足させてようやく意識がこちらに戻ってくる」
いや、まぁ……頭では理解はしていたけれど――マルコとサッチが互いの顔を見合って気まずそうに視線を逸らした。
「諦めて腹を括ることだ」
ベックマンはそう言うと、なまえの頭の方に移動して、彼女の腕を掴んで固定した。そしてそのまま、上からなまえの唇にキスをする。シャンクスはなまえの胸を刺激しながら、下の茂みに手を添えた。
「あーぁー。もうばっちりだな、なまえ」
「っ、ふぁっ」
キスの息継ぎの合間になまえの声が漏れる。その声は酷く甘く、その場にいる男達の意識を強制的に官能的に刺激する。これは男にとっては堪らない……マルコは顔を手の平で覆い、サッチは天井を仰ぎ見る。
「なまえ、入れるぞ……」
具合を確かめようと、シャンクスの指がするするとなまえの穴へと入っていく。どっからどうみたって、そこはもうぐずぐずで、手慣らしの必要がないくらいに指はスムーズに出入りを繰り返していた。
「っ、早く! シャンクス、早く入れて! 出してぇ!!」
「おい……お前はこっちに集中だろ……?」
再びベックマンがなまえの口を塞ぐ。その相手に一杯一杯になっているなまえを見ながら、シャンクスが反り立った自身をなまえの秘部にあてがう。それが相当良かったようで、なまえの腰が求めるように動いていた。足を折り込んで、穴にシャンクスが入っていく。
「んっ、んん……!!!!」
ぎゅうぅぅぅ――ベックマンが握るなまえの手の平が力一杯握り締められる。なまえは両目をキツく閉じて、背中を仰け反らせて小刻みに震えた。
「まだ入れただけだぞ。もうイったのかァ……?」
ベックマンの言葉になまえがゆっくりと目を開く。
「ん……」
その顔は恍惚としていて、それだけで彼女がイクことが出来たのだと、すぐに分かった。あれ程に苦しんでいたはずのなまえの顔から苦しみは消えていた。それだけでサッチはほっと息をついていた。
「…………なまえ」
シャンクスが名を呼ぶ。
なまえの瞳はここではない何処かを見ていた。……足りない、まだ足りない。彼女が求めた。それを受けたシャンクスが腰を振る。何度も何度も。なまえは幾度となく果てた。だが、それでも彼女が止まることはなく。結局、その場に居た全員が主となって順繰りに繰り返すことで終わりを迎えることが出来たのだった。
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「っ、んんん~~!!!」
「あ”~~! 俺はこれ以上無理だぞ。なまえ……」
汗だく顔のシャンクスが前髪をかき上げながら言う。
男としては結構な持久力を持つシャンクスを筆頭に、他3名も並外れた回数をなまえのために使った。……正直、限界だ。これで駄目なら助っ人を呼んでくるか……とマルコとサッチが話をしていたときだった。
「あ……しゃん、くす? え……なんで? あれ、ここ……んんんん?」
どうやら、本当に意識が飛んでいたらしい。一体どうしてこんなことになっているのか、と言いたげになまえがその場にいる全員の顔を順番に見つめていった。真上にいるベックマンを見た時なんて「え”!」と喉を詰まらせていたくらいだ。相当驚いているように見えた。
そして、男性陣は『ようやく終わった』と誰しもが全身を脱力させたのだった。
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「俺、セックスでこんなに搾り取られたの、初めて……」
サッチの一言に全員が頷いたのだった。

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