「あっ……」
見た目と反したその彼のひどく優しい愛撫に身がよじれる。
「や、ん……」
早々にはぎ取られた衣類は枕元へ放り投げられ、何も身に纏っていない体に執拗に舌が這わされる。じゅくじゅくと疼く感覚とそれを押さえつけるような呪縛におかしくなりそうだった。
ハッ、と息を吐き出し快感に耐える。
視線を落とすとすっかり大きくなったそれが目に入り、彼が首筋を舐め取っているうちにと手を伸ばした。反射的に跳ねた副船長。体は誰だって正直だ。気持ちよくなってくれているようで嬉しいと、素直に思う。同時に、「っ、」と僅かばかりでも抵抗されてしまったら加虐心に火がつくものだ。少し、虐めてやりたい。
ねっとりと執拗にそれを愛撫する。握りしめるとドクドクと波打つ感覚まで伝わってきた。我慢ならないと体を下げて次に進もうとする彼を押し切り、口へそれを入れた。感じる苦みと共に耳に届いたのは彼の吐息だ。
艶めかしく、荒々しく彼が呼吸を繰り返している。思わず口元が吊り上がった。こんな大男を手玉に取っているのだからいい気分にもなるだろう。決して強すぎず、決して弱すぎず。もっと欲しくなるような力加減で優しく、じれったく刺激を続けた。チッと鳴った舌打ちにこちらの加虐心は余計に大きく膨れあがる。
座り込みこちらを見下ろす顔は苦痛で歪んでいた。確かに快感を感じているのにそれ以上を求めることができない、それも男にとっては苦痛。もちろん、それは女にとっても苦痛。
いよいよ我慢ならんと力で体を押さえつけられ、強引に上に覆い被される。しっとりどころか、ねっとりと愛液でべちょべちょになっているそこに指が這わされ、いきなり3本の指が入れられた。
「ヒンッ……!!」
浮く腰も強く押さえつけられ、固く固定される。上の人はにんまりと笑い、目は細められ強く光っていた。
「お返しだァ……」
先ほどと同じように繰り返される絶妙な力による愛撫。中で動かされる度に捩れる体と甲高く響く声。ここが船内だろうが、なんだろうがもうどうだっていい。
「いや、いや、んっ!! もう、ダメ!! 早く、早くぅ」
ツ――と口の端から垂れていくものに気を止める暇もない、ただただ刺激が欲しい。早く、早く。
「はぁん、もっと、もっと!!」
狂ったように声が漏れ出ていく。まるで自分が自分じゃないみたいだった。
「たまんねぇな」
「ひぃんっ、早く、早くッ」
切なそうに寄せられ眉はこれ以上の我慢は無理だという彼の心情を表していた。間髪入れることなく、ズンッと体に走った衝撃に喜びがこみ上げる。でも最後まで快感がイキつくことはなく。もっと、もっとと体は求めた。普通なら十分すぎるほどの快感も今の私には足りなかった。
撓る体がベッドに打ちつけられ深く沈む。抜き取られる際にすら感じてしまう。
「ん、」
「……どうした」
「馬鹿」
「……」
「馬鹿、馬鹿馬鹿馬鹿。ミホークさんの馬鹿。こんなんじゃ、こんなんじゃ……」
ぎゅうと抱きしめられた体。ん――、と視線を上げるとこちらの様子を伺い、気遣うように眼差しを向ける副船長がいた。
「あ……ごめんなさい。これを後悔しているわけじゃないんです」
「どういうことだ?」
「言えない、……言いたくないです」
クチュリ、と音がなる。
「ん、は……」
「……イけないのか」
「ん、や……」
「なまえ、」
「何回しても無駄。ミホークさんが解放してくれない限り……」
主が変わらない限り、この疼きはずっと続く。
「ッ、…………」
頭がくらくらした。

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