02 無知は罪だと博士が言う

この世界にはタグ付きという者がいる。そしてタグ付は物、として扱われたり、化け物と言われたり。とにかく、人間とは違うものという認識の上にいる者たちだった。もちろんそれは本人達の望むところではない。

しかし、そう言わざる得ない能力を持っているからして、少なからず普通とは分けて考えるのは仕方がないことでもあった。

彼らは強い――異常なまでに。その体は普通ではあり得ない頑丈さであり、普通ではありえない治癒力を持ち、普通はありえない身体能力を持っている。つまり、普通ではない。

特殊能力については人それぞれだ。普通の者に個性があるようにタグ付の人間の特殊能力も個性に富んでいる。どんな風に富んでいるかは私は知らない。だって私は普通の人だから。

それなのにこんなに詳しく知っているのはときどきお世話になる博士が話してくれたから。博士はいけ好かない男だけどなんか憎めない。路地裏の診療所、そこがこの吹き溜まりに住む私たちの傷や病を治してくれるところ。

そういや、ここ最近は調子がよかったから博士に会っていない。たまには土産のひとつもって挨拶にでもいこうかな、なんて。会いに行くのはまだまだ先にはなりそうだけど。

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