Adiantum

May flower (希望)

「こんにちは。大将」私の店のカウンターは外と中にある。海兵の皆さんは大抵外のカウンターのところに腰掛けて数十分話をしたらまた仕事へと戻っていく。スモーカーさん曰く、ここは丁度よい息抜き所らしい。そんな息抜き所(正確にはカフェなんだけど……)…

Buttercup (楽しみ到来)

Gerberaの続き:所々、うっすらと意識が戻ったところがあった。俺の顔が湯船に沈んで数十秒後、すぐに顔が引き上げられる。目の前には動揺しまくりのの顔。俺の体には数枚のバスタオル。の手には子電伝虫。こいつのとっさの判断は素晴らしかった。頭が…

White Erika (幸せな愛を)

いざ自分がその立場になって分かる不安。この手の中にある紙切れ一つで結婚というものはできるらしい。俺が思っていたものとは少し違う気がした。だが、隣に並んで座るはとても嬉しそうにその紙を見つめていて。そんな野暮なことは言えそうになかった。「ずい…

Apricot (はにかみ)

あいつがさんざん言ってくれたおかげでセンゴク元帥の立ち会いはなくなった。ホッと胸をなで下ろす。用意された部屋は見慣れた海軍の会議室。あいつがここでいいと言ったそうだ。長机には申し訳程度の花が生けてある。……こんな気休めのようなもの、ない方が…

Red Amaryllis (素晴らしく美しい)

見合い当日。取りあえずバックレることにした。実際、近海で海賊が現れたこともあり、約束した時間に会場へ行くことはできなかった。完全に仕事が済んだのは約束から3時間が立った夕方5時。海軍本部までの一本道。緩やかな坂を上っていく。道の左右には小さ…

Ageratamu (信頼)

「2箱。それとコーヒー、ブラックで」「はいはい。いつものですね~」カチャカチャと手際よく音が鳴り、では先に葉巻を……と差し出されたものを受け取り乱暴にポケットに突っ込む。コーヒーと合わせた代金。プラス、チップを渡せばいつも通りそいつは困った…

Gerbera (光に満ちて)

明かりのついた家。まだ慣れないこのむずむずとする感覚。真新しい庭の柵を開き、玄関へ向かう。ジャリジャリとなる音は防犯のためにと俺が注文したもの。そもそも家に一人にさせておくのだがら心配しないわけがない。これでもまだ抑えた方だと自分では思う。…