第13話 思い返せば愛されていた日々
「とまぁ……こんな感じで、生まれ故郷を出たんですよ」一端休憩そう言わんばかりにはずっとしゃべり通しだった口を閉じて両肩を下ろし、余韻に浸るように目を閉じたままのマスターとレスティに口元を緩ませて、ミホークの方に目を向けた。緩んでいた口元はそ…
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第12話 外の世界を見たいんだ
悪い夢を見ていた気がする。ずっと何かに追われている夢だった。意識がゆっくりと戻ってきて、瞼の向こうにある明るい光を感じた。「うぅ…………」眩しかった。何かが光を遮って影が差し込む。額に乗った手の平は目を閉じていても分かるくらいに乾燥していて…
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第11話 覚えている一番古い記憶
「今日は最高の一日になりそうだ」レスティを抱きしめながらマスターが言った。「せっかくだからおしゃべりしましょう」レスティがそう言うと、「ふむ」と一言。何やら考え込んでいる様子のマスターをレスティが覗き見て合図を送った。視線が彼女の後ろを示す…
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第10話 紅玉のレスティ
午後二時新世界にある小さな島。その島のメイン通りをは歩いていた。いつも通りバイトに行くために酒場を目指している。……いつも通り、……いや。ひとつだけいつもとは違うところがあった。それは「こういうことになるのか……」がぼそりと呟く。が歩いた後…
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第9話 礼にまた礼ですか、なんて
ぼんやりとした意識の中、家の玄関だとか、見慣れたキッチンの景色が目に映っていく。最後に自分の部屋の扉の前に立って、ようやく今自分は我が家にいるんだと理解することができた。フラリと体が揺れると後ろから手が伸びてきてその手がやんわりと肩を掴んだ…
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第8話 酒場のカウンター席
深夜2時。「ちゃん。今日もご苦労様でした」「マスターもお疲れさまでした」最後の客が出て行くのを見送ったあと、扉にあった看板をOPENからCLOSEにして中へと戻る。そのまま最後の客が座っていたテーブルに足を向けて後片付けを始めた。食器を下げ…
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第7話 不思議な気持ち
「ん、……」開かない目を必死に開こうとすると、詰まっていた鼻がズズズッと音を立てた。目をこするとしっとりと濡れていた。……あれ? 私泣いてた? こすった手の甲を見たらうっすらとそこが光っていた。夢を見た気がする。すごく懐かしい夢。なんとなく…
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第6話 おやすみなさい
窓が揺れる音で目が覚めた。……いけない、私いつの間にか寝てた。勢いよく体を起こし、ベッドから両足を下ろす。時計を見ればもう深夜だった。明日もバイトがあるのに! と慌てて片手でボタンを外しながら、棚に置いていたバスタオルを掴み、急ぎ足で風呂場…
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第5話 問題ありあり
ザザッ突風が吹く音が聞こえ、小さな窓が大きく揺れた。コーヒーを飲み終えた後、しばらく話し込んでいた。……と言っても一方的に私が話していただけなんだけど。鷹の目さんは二杯目のコーヒーを口に注ぎ込みながら静かに話を聞いてくれていた。本当に聞いて…
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第4話 そんなの怖くないです
「どうぞ入って下さい」自宅の扉をそっと開けて先に中に入る。目で軽く促せば、玄関の前で一度立ち止まった後に男が続いて中に入った。ノブを持ったまま玄関で立ち止まり、男が入りきったのを見て扉を閉める。どうぞ、と一言。再び歩き出すと男は静かに後ろに…
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第3話 恩人には感謝を
その出来事があった次の日以降、彼らがマスターの店に現れることは一度もなかった。時間は少しかかったけれど、店からなくなっていた活気は徐々に取り戻され、二週間経った今ではほとんど元通りだった。二週間前はガラガラだった店内。今は見渡すとどのテーブ…
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第2話 次は怖い人だと
カウンターの男へ関心が向いていたとき、彼らに大声で呼ばれる。そんなに叫ばなくても聞こえている。苛立つ気持ちを抑え、足早にテーブルへ向かった。テーブルの横に立ち、ご注文は、と言えば、こちらをからかうような耳障りな笑い声が返ってくる。それでも表…
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