つづける・つづる・つなぐ
開いた口が塞がらなかった。柄にもなく、視線が宙を舞い、なんと返したらいいのか分からず、結局その口を閉じ、情けなくも頭を垂れることしかできなかった。拳を握りしめ、額に当てる。瞳を閉じ、考えた。俺はいつからそうなっていたのだと。「初めて出会った…
愛すればするほど
つうじる・つかむ・つたえる・つつく
「本当のことを話せ」「……エネル様?」病室に戻った俺は努めて素っ気ない態度を取った。そうでもしなければ、この狂いそうな想いでどうにかなってしまうそうだった。「これを見つけた」さきほど手の平に乗せていたそれをゴトリ、と彼女の側の机の上に置いた…
愛すればするほど
たどる・たのしむ・ついばむ
何があった? と聞いたところで彼女が本当のことを話すことはなかった。だから彼女の身の回りのことを徹底的に調べた。何から何まで。そこで見えてきたのものは彼女を取り囲む環境すべてだった。には正妻として部屋を与えていた。もちろん、彼女はそこで寝泊…
愛すればするほど
だき(しめる・すくめる・つく・とめる)
その日以降、俺と彼女が床を共にすることはなくなった。「、今日は来れるのか」「……いいえ。エネル様。私めは、この後、やらねばならないことがあります故、今回はご容赦下さいませ」ぺこりと小さなお辞儀が返され、視線を合わすことなくは俺の隣を素通りし…
愛すればするほど
せんする・そそぐ・そめる
― SECTION 4 < 神の過ち > ― 連れて行かれたところになんとなく見覚えがあった。なぜだか背中がずきずきと痛んだ。「ヤハハハッ、本当に生きていたのだな」私はこの人を知っている記憶のど…
愛すればするほど
しみこむ・しめる・しんじる
刷り込みは順調だった。それはもうとても。当初の予定にはなかった量のスマイルを実用し、記憶の削除が成功した。女は、はもう奴のことを覚えてはいない。その存在すら頭の中にはもう残っていないだろう。今のの頭の中にあるのは俺だ。にとってのすべては俺だ…
愛すればするほど
ささげる・ささやく・さらう・さわる
大きな部屋から外へ連れ出された。長い廊下を歩いてたどり着いたのは花が咲き乱れ、木々が溢れた綺麗な庭だった。わぁと思わず感嘆の声が漏れた。少なくとも、この庭を初めて目の当たりにした一瞬は不安なんて吹っ飛んでいたと思う。「フッフッフッ、気に入っ…
愛すればするほど
さがす・さけぶ・ささえる
― SECTION 3 < 桃鳥と出会う > ― 空へ舞い上がった。どういうことなのか、当時の私も訳が分からなかった。ただ文字通り、空へ舞い上がったのだ。体が空に浮かぶ感覚はまだ羽根があった時に…
愛すればするほど
くちずさむ・けっこんする・このむ
「シャボンディ諸島で宿を出たそのすぐ後、がさらわれた」「世界最強の剣豪がついていながらどうしてだ?」悪びれることなく自然に嫌みをいう小僧にきつい視線を送る。まるで動じる様子がないのが気に食わなかったが、話を続けた。「は空へ舞い上がった」「は…
愛すればするほど
かわる・かんじる・きづく・きらめく
への気持ちが変わった決定的な出来事というものは特に思い浮かばない。ただ城での生活を毎日、一緒に過ごしていただけだった。羽根のことを知ってから、暇つぶしがてらにの昔話を聞いた。はよく笑うようになった。ようやく、本当の彼女を見た気がした。そして…
愛すればするほど
かなでる・からめる・かわす
その夜はの希望でコンサートに連れていかれた。興味はないが、仕方ない。わくわく、わくわくと体を揺らす隣を一別し、ゆっくりと目を閉じた。コンサートは40分。眠るとしよう。::当たり前だった日常がいつの間にかなくなっていて、怖くて私は光を探した。…
愛すればするほど
かがよう・かける・かなう
いつも霞がかっていた頭も庭に連れ出されて、あの人の前に座ったら、スッと綺麗になっていって。世界に色がついたようで。心が躍った。自由に体が動く。「わっ……」「おら、もう少しジッしてらんねェのか、お前は」「だって、だって!こんなにわくわくするん…
愛すればするほど